表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
565/615

迷いより先に動いた足

小樽駅を出ると、

冷たい空気が頬に触れた。

東京とは違う、少し重たい冬の匂い。


運河へ向かう道は、

観光客の声と、雪を踏む音が混ざっている。


(……来ちゃった)


胸の奥で小さくつぶやく。

言わないで来たことが、

急に現実味を帯びてくる。


(迷惑だったかな)


でも、足を止めることはできなかった。

迷っている時間なんてない。

ここまで来てしまったのだから。


運河の方へ歩いていくと、

すぐに分かった。


昼営業中の灯-OTARU-の前に、

長い行列ができていた。


(……ここだ)


胸がぎゅっとなる。

店長が、

何ヶ月もかけて考えて、

悩んで、

こだわって、

作り上げた空間。


その入口が、

目の前にある。


(店長が……ここにいる)


息が少し震えた。


言わないで来ちゃった。

どうしよう。

でも──


(……並ぼう)


気づいたら列の最後尾に立っていた。


入れるかどうかも分からない。

大和に会えるかどうかも分からない。


でも、

それでもいいと思えた。


何より、

店長が作った空間に入れることが、

ただそれだけで、

胸が熱くなるほど嬉しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ