画面越しの星空
デスクに戻る途中で葵のスマホが震えた。
大和からのDM。
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店に取材が入ったよ。
放送がいつになるかは分からないけど……
一応知らせておこうと思って。
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(……取材)
胸の奥が、少しだけ熱くなる。
忙しいはずなのに、
わざわざ知らせてくれるんだ。
(店長らしいな……)
返信を打ちながら、
どこか遠くて、どこか近い、
あの不思議な距離感を思い出す。
その日の夕方。
社内の休憩スペースに向かうと、
壁掛けのテレビがついていた。
「次の特集は、
小樽で話題の“灯-OTARU-”さんです」
(……店長が言ってた取材って、これ?)
足が止まる。
画面には、
広告で何度も見た店内。
カウンターの光。
テラスの風。
そして──大和。
氷を落とす音。
グラスの揺れ。
星空の投影。
記者の声が重なる。
「……忙しいのに、
なんでこんなに綺麗なんですか」
大和は手を止めずに答えていた。
「綺麗に見えるのは……
僕じゃなくて、この店とお客様が作る景色が良いんです。
僕はただ、その中で動いているだけで」
(……店長)
胸がぎゅっと締めつけられる。
同僚が横で言った。
「うわー、素敵。人気なのもわかるね、葵ちゃん」
葵は返事ができなかった。
ただ、
画面の中の大和から目が離せなかった。
(行きたい)
(この景色を、自分の目で見たい)
その気持ちが、
静かに、でも確かに灯った。




