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いよいよオープン
オープン前日から、
広告代理店は「いよいよオープン」の告知を連投していた。
昼のテラス。
夜の星空。
二色パンケーキの断面。
クリームソーダの泡。
バーのカウンターに落ちる光。
どれも、
大和が何度も何度もこだわって作った世界だった。
秋の小樽は、
昼は海風が心地よく、
夜は少し冷たくて、
その温度差が灯-OTARU-にぴったりだった。
(……いよいよか)
店内を見渡す。
テラスの椅子の角度、
カウンターの木目、
照明の高さ、
星空の投影位置。
全部、自分の手で決めた。
(……及川さんにも、見てほしいな)
自分が作ったこの世界を、
一番に見てほしい人は──
やっぱり葵だった。
(……言うべきか、言わないべきか)
悩んだまま、
スマホをポケットにしまった。




