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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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会いたい気持ち

広告ラッシュが続くたびに、

店長がどんどん前へ進んでいくのが分かった。


昼の喫茶。

夜のバー。

星空の時間。

海風のテラス。


どれも、

店長の世界が広がっていく証拠だった。


(……遠くに行っちゃうな)


ふと、そんな気持ちがよぎる。


でも、

前みたいに“置いていかれる”感じはしなかった。


店長は、

ちゃんと教えてくれる。


広告が出る前にDMをくれた。

忙しい中でも、

言葉をくれた。


(……だからかな)


遠くに進んでいるのに、

距離は前より近い気がする。


不思議な感覚だった。


店長の世界が広がるほど、

葵の胸の奥も静かに広がっていく。


(会いたいな)


その気持ちは、

もう隠せないほどはっきりしていた。

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