イメージの整え
カウンターにノートPCを開き、
大和は“完全予約制の夜”の詳細を詰めていた。
(水曜、17時から24時……)
金曜は違う。
土曜も違う。
ふらっと来たい人のために、
週末は開けておきたい。
水曜なら、
静かに過ごしたい人が多い。
自分自身も、昔から水曜の夜は落ち着く。
(22時から23時は……プラネタリウム)
照明を落とし、
天井に星を流す一時間。
誰かの言葉が、
そっと光に照らされるような時間にしたい。
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予約フォームの項目を打ち込みながら、
大和は指を止めた。
- 名前
- 人数
- アレルギーの有無
- ノンアル希望かどうか
ここまではすぐに決まった。
問題は、
“メッセージカード”の欄だ。
(……入れるか)
ふわっと考えていたアイデア。
でも、形にするのは初めてだ。
「カードに込めたいメッセージがあれば、ご記入ください。」
そう入力してみる。
(強制じゃない。
書きたい人だけでいい)
書かれたメッセージは、
その人のための一杯と一緒に出す。
言葉を飲み込んでしまう誰かが、
少しだけ前に進めるように。
(……でも、これでいいのか?)
フォームのデザインが決まらない。
メニューも未完成。
照明もまだ仮設。
プラネタリウム演出もテストできていない。
やることが多すぎて、
頭の中が少しだけ重くなる。
(時間は……まだある)
焦る必要はない。
それでも、
形にしなきゃいけないものが増えていく。
(……一度、風に当たろう)
大和はPCを閉じ、
上着を手に取った。




