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コンセプト修正
昨夜閉じたままのノートを、
大和はゆっくりと開いた。
昨日書いた
「出会えた奇跡」
「溢れる幸せ」
「これからも一緒にいたい」
3つの言葉が並ぶページを見つめる。
(……悪くはない。けど)
胸の奥に残っていたざらつきが、
やっぱり消えていなかった。
恋愛の言葉ばかりが並んでいる。
灯の象徴としては綺麗だ。
意味もある。
物語も作れる。
でも──
(なんか……違うんだよな)
大和はペンを置き、
深く息を吐いた。
気持ちを伝えるのは、
恋愛だけじゃない。
家族に。
友達に。
同僚に。
上司に。
後輩に。
“ありがとう”
“おつかれさま”
“がんばれ”
“ごめん”
“元気でいてほしい”
恋じゃなくても、
伝えたい気持ちは山ほどある。
(……俺、恋愛に寄りすぎてたのか)
自分で気づいて、
少しだけ苦笑した。
灯は、
誰かの恋を叶える店じゃない。
誰かの気持ちを、
そっと背中から押す店だ。
その本質を、
自分が一番忘れかけていた。
大和は新しいページを開き、
静かに書き始めた。




