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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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灯-Hokkaido- のコンセプト案

厨房の奥。

新店舗のメニュー案が広げられたテーブルの前で、

大和はひとり、静かにペンを走らせていた。


「……(あかり)の象徴、か」


東京の夜の灯 -tokyo- では、

“言葉の代わりに出す一杯”が店の顔だった。


北海道でも、その魂は残したい。

けれど、ただ同じものを持ってくるだけでは意味がない。


大和は、ふと手を止めた。


(今の灯は……“今と少し前の融合”か)


そう思った瞬間、

胸の奥に、あの頃の空気がふっと蘇る。


19歳の葵。

まだ飲めなくて、

ホットドリンクを両手で持っていた姿。


(……懐かしいな)


大和は小さく息を吐き、

メニューの余白に3つの言葉を書き込んだ。


「出会えた奇跡」

「溢れる幸せ」

「これからも一緒にいたい」


意味が先に浮かんだ。

レシピは後でいい。

(あかり)の一杯は、味より“想い”が本体だから。


「……ノンアルも、用意しておくか」


北海道は車の人が多い。

それに──

飲めなかった“あの頃”の誰かのためにも。


そう思った理由を、

大和自身は深く考えなかった。


─けれど、

書き終えたページを眺めながら、

胸の奥に小さなざらつきが残った。


(……なんだろうな、この感じ)


言葉にはできない。

でも、どこか“決まりきっていない”気がした。


大和はその違和感を振り払うように、

そっとノートを閉じた。

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