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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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質問返しのDM

(……ちょっと砕けすぎたか)


自分の文面を読み返して、

大和は小さく息を吐いた。


普段なら絶対に使わない軽い言い回し。

“倒れるかもしれない”

“飲んでみようかな”

“無理かも”


(……なんだこれ。俺らしくない)


でも、

指が勝手に動いたのは事実だ。


葵が相手だと、

どうしても少しだけ崩れてしまう。


(……まあ、いいか。

 変じゃなければいいけど)


そう思いながらスマホを伏せた瞬間──


フワッと画面が光る。


大和の胸が、

一瞬だけ跳ねた。


(……早いな)


大和の心だけがゆっくりと熱を帯びていく。


---


「倒れるほどなんですね。

 じゃあ無理しないでください。

 甘いお酒って、好き嫌い分かれますよね。

 店長は普段どんなお酒飲むんですか?」


---


葵からのDMを読んだ大和は、

思わず小さく息を吐いた。


(……質問で返してくれるんだな)


“会話を続けたい”という気持ちが、

ほんの少しだけ伝わってくる。


胸の奥が、

静かに温度を上げる。


大和は指を動かした。


---


「普段はビールか熱燗だよ。

 甘いのは本当に得意じゃなくて。

 仕事終わりに飲むなら、そのどっちかだな。


 及川さんは、他にどんなお酒飲むの?」


---


送信したあと、

大和は画面を見つめたまま、

ほんの少しだけ息を止めた。


大和の心だけがゆっくりと熱を帯びていく。


---


「私は甘いお酒が多いです。

 カシスとか、ファジーネーブルとか。

 店長は、ビールと熱燗以外はあまり飲まれないんですか?」


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