テンポよく始まるラリー
スマホが震えた瞬間、
葵は反射的に画面を開いた。
“返信があります”
その一文だけで、
胸がぎゅっとなる。
(……きた)
指先が少し震える。
深呼吸してから、
そっとDMを開いた。
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「飲んだことないよ。
あれ、甘いだろ。
俺が飲んだら倒れるかもしれない。
でも、及川さんがオススメするなら……
飲んでみようかな。
……いや、やっぱり無理かも。」
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読み終えた瞬間、
葵は声を出さないように口を押さえた。
(……かわいい……)
“倒れるかもしれない”でクスッ。
“オススメするなら”で胸がぎゅっ。
“無理かも”でまた笑う。
(なにこれ……かわいい……)
ベッドの上で、
足をばたばたさせてしまう。
でも、
文章には出さない。
夜だから、
少しだけ素直になれるけど、
砕けるのはまだ早い。
(……落ち着いて、普通に返す)
深呼吸して、
指を動かす。
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「倒れるほどなんですね。
じゃあ無理しないでください。
甘いお酒って、好き嫌い分かれますよね。
店長は普段どんなお酒飲むんですか?」
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送信ボタンを押したあと、
葵はスマホを胸に抱えた。
(……返ってくるかな)
でも、
夜の静けさの中で、
胸の奥はずっと温かかった。




