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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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言葉が溢れて止まらない

昼休み。

社食のざわめきの中、

葵はいつものようにスマホを開いた。


通知の欄に、見慣れない名前がある。


「大和」


一瞬、呼吸が止まった。


(……え?

 店長……?

 DM……?)


指先が震える。

画面をタップするのが怖い。

でも、見たい。


意を決して開く。


> この前、グラスホッパー飲んでたよね。

> 俺は対応できなかったけど、

> ちょっと気になってた。

> 味、どうだった?


読み終えた瞬間、

胸の奥がじわっと熱くなる。


(……見てたんだ)

(気になってたって……)

(味どうだった?って……これ……)


社食のざわめきが遠のく。

自分の鼓動だけがやけに大きい。


返事をしなきゃ。

でも、何を書けばいいのか分からない。


(落ち着け……落ち着け……)


スマホを伏せる。

でも、すぐにまた手に取ってしまう。


(……すぐに返したい)

(でも、変に思われたくない)

(でも、嬉しい……)


胸の奥がざわざわして、

言葉がまとまらない。


葵は深呼吸をして、

そっとメモアプリを開いた。


(……まずは書いてみよう)


指が画面に触れた瞬間、

言葉が溢れて止まらなくなる…

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