表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
516/615

気持ちを受け取る

その頃、

北海道の夜。


大和はふと、

葵の投稿をもう一度開いた。


(……あれ?)


文章が増えている。


「知らないで投稿したけど、

 意味を知って少し驚いた。」


(……編集したのか)


意味を知らなかった。

その一文に、

さっきまで膨らんでいた期待が一度しぼむ。


(そうだよな。知らずに頼んだだけだ)


そう思うのに、

その下のタグが目に引っかかった。


#言葉の代わりに出す一杯


大和が夜の灯-tokyo-のために考えた言葉。


言葉にできない気持ちを、

無理に言葉にしなくていい。

そっとカクテルに乗せる 。

それで伝わるものがある。


そんな想いを込めたコンセプト。


(……なんで、これを)


葵がこのタグを使う理由なんて分からない。

ただ雰囲気で選んだだけかもしれない。


でも──

意味を知ったうえで、

この言葉を添えたという事実が、

胸の奥に静かに刺さる。


再会した夜の葵の顔が浮かぶ。

跳ねた心臓。

もっと話したいと思ってしまった自分。


(期待しちゃいけない)

ずっとそう言い聞かせてきた。


年齢差も、

立場も、

距離も、

全部が“違う”と言っている。


でも──

画面に残る短い言葉が、

その“禁止”をそっと揺らす。


(……期待しても、いいのかもしれない)


胸の奥で、

静かに何かがほどけていく。


葵がどんな気持ちで編集したのかなんて、

分かるはずもない。


まさか、

画面の向こうで

少しだけいじけているなんて

想像もしていない。


ただ、

抑えていた感情の蓋が、

静かに外れ始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ