表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
511/615

なんとなく選んだカクテル

オリンピックを飲み終えたあと、

葵はしばらくグラスを見つめていた。


大和はいない。

もう東京には。


でも、帰りたくなかった。


(……もう一杯だけ)


「ギムレットをお願いします」


意味なんて知らない。

ただ、

“今の気分に合う気がした”。


薄い緑色の光を宿したグラスが運ばれてくる。


その静けさに惹かれて、

スマホを取り出し、

写真を撮った。


店内の灯りと薄い緑が溶け合って、

思った以上にきれいに写った。


ふと、投稿画面を開く。

でも──


言葉が浮かばない。

何を書いても違う気がした。


(……もう、いいや)


ハッシュタグも、

コメントもつけずに、

写真だけをそのまま投稿した。


送信の音が、

やけに大きく響いた気がした。


画面を伏せると、

ギムレットの冷たさが

胸の奥にじわりと広がった。


遠い人を想う味がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ