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届かない灯り
「夜の灯 -tokyo-」
期間限定出店、残り三日。
SNSのタイムラインは、
その話題で埋め尽くされていた。
> 「最終日も満席らしい」
> 「整理券、朝の時点で終了」
> 「今日も行列すごい」
(……今日こそ、と思ったのに)
仕事を終えて急いで向かったけれど、
店の前には長い列。
スタッフが申し訳なさそうに頭を下げる。
「すみません、本日はもう……」
(……そうだよね)
分かっていた。
でも、諦められなかった。
だって──
伝えたい気持ちができたから。
キール。
「あなたに出会えて良かった」
その言葉を知ったとき、
胸が熱くなった。
(もっと話したい)
(もっと知りたい)
(もっと近づきたい)
好きだから。
会えたことが嬉しかったから。
でも、
その気持ちを伝える場所に入れない。
店の灯りが、
遠くて、眩しくて、
手が届かない。
(……このまま終わっちゃうのかな)
期間限定の文字が、
胸に重くのしかかる。
帰り道、
スマホの画面に映るキールの写真を
そっと指でなぞった。
(次こそ、伝えたいのに)
でも、
その“次”がいつ来るのか分からない。




