500/615
仕事が楽しい
夜の灯 -tokyo- は、
今日も満席だった。
カウンターの奥でグラスを磨きながら、
大和は店内のざわめきを聞いていた。
(……ここまで盛り上がるとはな)
嬉しい悲鳴、という言葉があるけれど、
まさに今の自分がそれだった。
「言葉の代わりに出す一杯」
この業態を企画したとき、
ここまで反響が出るとは思っていなかった。
SNSでは“縁結びのバー”と呼ばれ、
プロポーズ成功の投稿まで出ている。
(……ありがたいな)
忙しい。
でも、忙しいのが嬉しい。
スタッフの動きも良くなってきて、
店全体がひとつの生き物みたいに動いている。
(これ、他の地区でも出せるかもしれないな)
ふと、そんな考えが浮かぶ。
期間限定で地方を回るのもいい。
季節ごとにテーマを変えるのも面白い。
未来の構想が、
次々と頭の中に形を作っていく。




