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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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検索窓に吸い寄せられる

駅前のベンチに腰を下ろした瞬間、

ふわりと体が軽く揺れた。


(……やっぱり酔ってるのかな)


オリンピックの余韻が、

まだ喉の奥に残っている。

甘くて飲みやすいのに、

奥にしっかりとした深さがあって、

胸の火照りを静かに煽る。


でも──

胸の奥の熱は、

お酒だけのせいじゃない気がしていた。


大和の横顔。

氷の音。

シェイカーのリズム。

「……オリンピックです」と置かれた一杯。


全部が、

胸の奥に残って離れない。


(……どうして、あれを)


> 「言葉の代わりに出す一杯なんだって」


考えたくないのに、

考えずにはいられなかった。


さっきまで、

怖くて触れなかったスマホ。


でも今は、

指が勝手に動いてしまう。


震える指で検索窓を開く。


「オリンピック カクテル 意味」


息を吸う。

押す。

心臓が跳ねる。

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