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検索窓に吸い寄せられる
駅前のベンチに腰を下ろした瞬間、
ふわりと体が軽く揺れた。
(……やっぱり酔ってるのかな)
オリンピックの余韻が、
まだ喉の奥に残っている。
甘くて飲みやすいのに、
奥にしっかりとした深さがあって、
胸の火照りを静かに煽る。
でも──
胸の奥の熱は、
お酒だけのせいじゃない気がしていた。
大和の横顔。
氷の音。
シェイカーのリズム。
「……オリンピックです」と置かれた一杯。
全部が、
胸の奥に残って離れない。
(……どうして、あれを)
> 「言葉の代わりに出す一杯なんだって」
考えたくないのに、
考えずにはいられなかった。
さっきまで、
怖くて触れなかったスマホ。
でも今は、
指が勝手に動いてしまう。
震える指で検索窓を開く。
「オリンピック カクテル 意味」
息を吸う。
押す。
心臓が跳ねる。




