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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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言葉の代わり

頬が熱い。

胸の奥も、

手の先も、

どこかふわふわしている。


(……酔ってるだけ?)


でも、

酔いだけじゃ説明できない。


大和の手元の動き。

照明に照らされた横顔。

静かな呼吸。

シェイカーを振るときの、あの少しだけ真剣な目。


思い出すたびに、

胸の奥がじんわりと熱くなる。


(……なんでこんなに)


歩くたび、

心臓の鼓動が少しだけ早くなる。

夜風に当たっても、

火照りは冷めない。

むしろ、

大和の声の余韻が身体のどこかに残っている気がした。


(……お酒のせい?

それとも……)


自分でも分からない。

分かりたくないのに、

気づきたくないほど胸がざわつく。


葵はスマホに触れず、

ただ夜の街を歩き続けた。

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