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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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夜の再会

昼の営業が終わっても、

夜の仕込みをしていても、

あの一瞬が頭から離れなかった。


(……本当に、及川さんだった)


18年という時間が、

一瞬で溶けたような感覚。


でも同時に、

18年という距離が、

胸に重くのしかかる。


(……もう、来るわけないよな)


そう思いながらも、

夜の営業中、

ふと入口の方を見てしまう自分がいた。


広告の反響で、

夜の灯-tokyo-は連日満席だった。

忙しいはずなのに、

心のどこかでずっと

“あの人”を探していた。


---


ある夜。

カウンターのグラスを磨いていたとき、

入口のベルが鳴った。


顔を上げる。


(……)


息が止まった。


そこに立っていたのは、

及川さんだった。


あの昼とは違う。

1人だった。

迷いながら、

でも確かに自分の足で来た人の顔をしていた。


胸の奥が、

静かに、

でも確かに熱くなる。


(……来てくれたんだ)


理由なんて聞けない。

聞く資格もない。


ただ、

彼女がここにいるという事実だけで、

胸がいっぱいになった。


大和はゆっくりとカウンターに向かい、

静かに言った。


「……いらっしゃいませ」


声が少しだけ震えた。

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