表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

483/489

夜への期待

店内は明るくて、

木の香りがまだ少し残っていた。


スイーツの甘い匂い。

新しい店の空気。

そして──


カウンターの奥に、

白いコックコートの背中。


(……店長)


葵は息を呑んだ。


大和は、

スイーツの仕上げをしていた。

真剣な横顔。

丁寧な手つき。

照明に照らされる手元。


同僚たちは別々のテーブルに案内され、

葵も1人で小さなテーブルに座る。


(……見える)


距離はある。

話せない。

でも、

視界の端にずっと大和がいる。


スイーツの仕上げをしていた大和が、

ふと顔を上げた。


目が合った。


一瞬、

手が止まる。


(……及川さん)


でもすぐに仕事に戻る。

戻らざるを得ない。


葵は、

胸が痛いほど高鳴るのを感じた。


(……気づいてくれた)


それだけで十分だった。


女子たちが

「美味しかった〜!」

「また来たい!」

と盛り上がりながら店を出る。


葵も笑ってついていく。


でも、

店を出る瞬間、

厨房の奥から

そっと視線が送られているのに気づいた。


振り返らない。

振り返れない。


(……夜のバーも行ってみたいな)


その気持ちが、

静かに芽を出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ