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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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大和の返事

「大和さん、今日もお願いします〜。

前回のオフレコトーク、めっちゃ好評で!」


会議室の隅。

簡易ライトが点いて、白い壁に柔らかい影が落ちていた。


スタッフがカメラを構えながら笑う。


「本番の前に、ちょっと雑談いいですか?

最近はこういう自然な会話も、そのまま使わせてもらってて」


大和は苦笑しながら頷いた。


「なるほど……そういう感じなんだ」


「そうなんですよ。

あ、そういえば──」


スタッフがスマホを見せてくる。


「このラテの写真、可愛かったです。

大和さんってブラック派だと思ってました。

ラテアートとか、意外ですよね〜」


大和は一瞬だけ言葉を失う。


(……意外、か)


あのラテは、

ただの気まぐれじゃない。


葵の投稿を見て、

胸の奥がふっと動いて、

気づいたら店に入っていた。


「たまには……ね」


とだけ答える。


スタッフは笑いながら続けた。


「あのお店って、料理も美味しいですよね!」


大和は視線を少し落とす。


(……やっぱり、あの店のランチだったのか)


「そうそう。

あのお店、料理もおすすめ。

僕、今度はディナーで使おうと思ってます。

ちょっと赤ワイン片手に……“ごほうび”って感じで」


「うわ、いいですね〜! ワイン似合う! 大人の男!!

このあと本番行こうと思ったんですけど──」


スタッフが急に笑い出した。


「もう今日は、今のとこ全部使って終わります!」


「え? 本番は? あの打ち合わせは?」


「今日はドッキリで、大和さんを深掘りの回でしたー」


大和は一瞬だけ呆気にとられたあと、

小さく息を吐いた。


(……もう、しょうがないな)


そう思いながら、

カメラの向こうに柔らかい表情を向けた。

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