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会いたくて
大和のリールを見た瞬間、
葵の胸の奥がふっと温かくなった。
> 「あのお店、料理もおすすめ」
> 「今度はディナーで使おうと思ってます」
> 「赤ワイン片手に……“ごほうび”って感じで」
その言葉が、
まるで自分に向けられたみたいに響く。
(……そんなこと言うんだ)
普段の大和なら絶対に言わない。
気を抜いた“素の声”だからこそ、
まっすぐ刺さる。
そして葵は思い出す。
自分が大和のラテを追いかけて入ったあの店。
ランチを撮って投稿した日のこと。
その投稿に、
大和が呼応してくれた。
構図も、光も、温度も。
偶然じゃないと分かる。
(……気づいてくれたんだ)
胸がじんわり熱くなる。
(……会いたい)
その気持ちは、
気づいたらもう抑えられなかった。




