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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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つながるふたり

電車に揺られながら、

なんとなくスマホを開く。


昨日の大和のリールが

また頭に浮かんでしまって、

気づけば再生していた。


照れた笑顔。

スーツ姿。

仕事モードの声。


胸の奥が、

また静かに温かくなる。


そして、

昨日は押せなかった“いいね”を

今日は迷わず押した。


ぽん、と色が変わる。


コメント欄を開くと、

昨日よりもずっと増えていた。


「久しぶりのリール、待ってました!」

「新しい挑戦って気になります!」

「応援してます!」


その中に、

ふと目に入る一行。


「もっとオフの姿の大和さんを見たいです!」


胸の奥が、

少しだけざわついた。


> ……オフの店長なら、

> 私は18年前から知ってる。


その小さな優越感が、

胸の奥でそっと灯る。


でも同時に、

気軽にコメントできる人たちが

少しだけ羨ましくも思えた。


電車が駅に着き、

スマホを閉じて歩き出す。


──その頃。


大和は、

休憩中にスマホを開いて

自分のリールを確認していた。


増えていくコメント。

増えていく再生数。


その中に、

ひとつの“いいね”を見つける。


大和の指が、

ほんの一瞬だけ止まった。


> ……及川さん。


胸の奥が、

静かに温かくなる。


そして気づけば、

及川さんの“朝の空”の投稿に

そっと“いいね”を返していた。

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