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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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今の大和を知る人

お墓参りから数日後。

仕事を終えて帰宅し、

湯を沸かそうとキッチンに向かったとき、

スマホが小さく震えた。


画面に表示された名前を見て、

葵は一瞬だけ動きを止めた。


結衣。


そっとタップする。


---


結衣:

「葵さん、お久しぶりです!」


「最近どうしてますか?

北海道は今日も雪です。

そっちはどうですか?」


葵は少し考えてから返信した。


---


葵:

「結衣さん、久しぶり。

東京はね、今日小雪がちらついたよ。

そっちはもっと寒いんだろうね。」


送信すると、

すぐに返事が来た。


---


結衣:

「えっ、東京も雪なんですね!

なんか嬉しいです」


続けて、

少し間を置いてからメッセージが届く。


「そういえば…店長、最近リール上げられてなくて。

なんか忙しそうなんです」


その一文で、

葵の指先が止まった。


“店長”。

大和のことだ。


胸の奥が静かに揺れる。


---


葵:

「そっか。

結衣さんも忙しいのかな?」


---


結衣:

「忙しいですよ〜!

でも店長の方がもっと忙しそうです。

お店にもほとんど来ないんです。

エリアマネージャーの仕事が大変みたいで」


葵の胸の奥に、

またひとつ波紋が広がる。


そして──

結衣は何気なく続けた。


「なんか…東京にしばらく行く、ようなこと言ってましたよ」


その言葉を読んだ瞬間、

葵の呼吸がほんの少しだけ止まった。


東京。

しばらく。


その言葉だけで、

胸の奥が静かに熱を帯びる。


---


葵:

「そっか。

教えてくれてありがとう。

結衣さん、体調崩さないようにね。

北海道は寒いでしょ」


---


結衣:

「ありがとうございます!

葵さんも無理しないでくださいね。

またDMします!」


---


画面が静かになったあと、

葵はスマホをそっと伏せた。


> 結衣は、今の大和を知っている。

> 私は、何も知らない。


その“差”が、

静かに胸の奥に残った。

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