表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

443/455

忙しさでごまかす季節

別居して迎えた春は、思ったより静かだった。

朝の光がまっすぐ差し込む部屋で、葵は資格試験のテキストを開いた。

ページをめくる音だけが、生活の中心になった。


合格通知が届いたのは、梅雨が明ける頃。

封筒を開けた瞬間、胸の奥がふっと軽くなる。


「……よかった」

その小さな声が、部屋の空気にすっと溶けた。


夏には昇格が決まり、仕事は一気に忙しくなった。

新しいマグカップを買って、デスクに置く。

それだけで、自分の生活を取り戻しているような気がした。


大和のことは、気にならなかったわけじゃない。

でも、俊介とは婚姻関係のまま。

誰かを傷つけてまで、自分の気持ちを優先するつもりはなかった。


大和がどうしているかも分からない。

連絡先も知らない。

会いに行く理由も、資格もない。


だから、ただ前を向いた。

忙しさに身を預けるように、春と夏が過ぎていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ