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初日の出への想い
元日の朝、
まだ暗いうちに家を出た。
空気は刺すように冷たいのに、
頬に当たる風が気持ちよかった。
近所の坂を登ると、
同じように日の出を待つ人たちが数人いた。
みんな黙って空を見ている。
その静けさが心地よかった。
やがて、
東の空がゆっくりと明るくなり始める。
太陽が顔を出す瞬間、
胸の奥がふっと軽くなった。
「今年は、もう少しだけ前に進める気がする」
そんな言葉が自然に浮かんだ。
帰り道、
ポケットの中のスマホは静かだった。
でも、
その静けさが今日は気にならなかった。
家に帰ると、
小さなうさぎの重箱が静かに待っていた。
ひとりの元日。
でも、
悪くない。
むしろ、
こんな穏やかな朝は久しぶりだった。




