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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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イベントが消えた家

2月14日。

バレンタイン。


朝、テレビをつけたら、

チョコレートの特集が流れていた。


「……」


すぐにリモコンで消す。


関係ない。

そう思いたかった。


スマホには、

相変わらずのLINE通知。


いつものようにスマホを伏せた。


(何も……感じない)


その事実が、一番怖かった。



2月の終わり。

俊介の帰りが少し遅くなった。

休日の外出も増えた。


洗面所の棚を開けたら、

俊介のものが少し減っている気がした。


気のせいかもしれない。

でも、胸がざわついた。


私は見なかったことにした。

気づかないふりをした。


冬の終わりの風が、

窓の隙間から入り込んでくる。


私はまだ、

冬の中に取り残されたままだった。

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