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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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10%のざわつき──勝手に満ちていく想い

会社に着いてすぐ、スマホを充電器に繋ぐ。

画面はまだ真っ黒。

少しずつ電気が流れていくはずなのに、

私の心のほうが先にざわつき始めていた。


「北海道の社員旅行からもう2年ですよね〜」


近くの同僚の声に、胸がひゅっと縮む。

あの場所。

大和がいる場所。


「また行きたいですよね」と言われ、曖昧に笑う。

頬が引きつっているのが自分でも分かる。


別の同僚がスマホを見せてきた。


「この人、料理上手すぎない?」


画面には“灯 北海道店”のタグ。

そこに映る大和の姿。


息が止まる。


自分のスマホはまだ沈黙したまま。

電源が入らない。

だから見れない。

でも、世界は大和を見ている。


胸の奥がざわざわして、仕事に戻れない。

スマホの充電は10%くらいだろうか。

でも、心のざわつきはもうそれ以上だった。

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