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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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日常が変わっていく

仕事が終わっても、

家に帰る気になれなかった。


帰ったら、

俊介の優しさに触れてしまう。

それがいちばん怖い。


だから、

カフェで時間を潰した。

駅のベンチでぼーっとした。


その頃、俊介は

“気遣い”で本当に遅く帰っていた。


夜ご飯は別々。

葵は作らない。

俊介も「いらないよ」と言う。


同じ家なのに、

生活が別々になっていく。


玄関の鍵の音がしない夜が、

少しずつ当たり前になっていく。

その“慣れ”が、

自分でもどうしようもなく怖かった。

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