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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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弱い自分

同僚の声が遠く聞こえる。

世界だけが少し離れていく。


大和の笑顔。

俊介の沈んだ顔。

自分のぐちゃぐちゃな感情。


全部が一気に押し寄せて、

視界が滲む。


(やだ……泣きたくない)


トイレに逃げ込んで、

鏡を見る。


疲れた顔が映っていた。


またスマホが震えている感覚がする。

唯一の逃げ道であり、救いだった

大和のリールを開くことすらできない。


涙がにじむ。

それを拭った指先に残る温度が、

自分の弱さを突きつけてくるみたいで、

息を吸うのさえ苦しくなった。

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