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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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いつもの朝食と、違うもの

キッチンに入った瞬間、だしの香りがふわっと広がった。

その匂いだけは、いつも通り。


でも、そこにいるはずの葵はいない。


テーブルには、整った朝食。

ご飯。

味噌汁。

焼き鮭。

おひたし。

納豆。


“いつもの朝”が、きちんと並んでいる。


なのに、その横に──

ぽつん、と二色のだし巻き。


(あかり)で食べたものと同じ色。

同じ切り方。

同じ形。


胸の奥が、きゅっと縮む。


(……なんで、これが今なんだよ…)


考えたくない想像が、勝手に浮かんでくる。

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