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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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置き手紙が繋げてしまう線

テーブルの端に、小さな紙が置かれていた。

見慣れた字。


「今日は朝やらないといけない仕事を思い出したから、先に出るね。ごめん!」


読み終えた瞬間、息が止まった。


葵が先に出るなんて、今まで一度もなかった。


昨日の写真。

葵の焦り。

(あかり)

大和。

二色のだし巻き。

そして今朝の不在。


全部が、一本の線になってしまう。


(……俺の顔、見たくなかったんだ)


(……もう、無理なんだ)


ごめん!に深い意味なんてないのに

胸の奥で、何かが静かに沈んでいく。


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