前へ目次 次へ 399/502 置き手紙が繋げてしまう線 テーブルの端に、小さな紙が置かれていた。 見慣れた字。 「今日は朝やらないといけない仕事を思い出したから、先に出るね。ごめん!」 読み終えた瞬間、息が止まった。 葵が先に出るなんて、今まで一度もなかった。 昨日の写真。 葵の焦り。 灯(あかり)。 大和。 二色のだし巻き。 そして今朝の不在。 全部が、一本の線になってしまう。 (……俺の顔、見たくなかったんだ) (……もう、無理なんだ) ごめん!に深い意味なんてないのに 胸の奥で、何かが静かに沈んでいく。