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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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二色のだし巻き

「これ絶対頼もうぜ!二色のだし巻き!」

山下が目を輝かせる。


俊介の胸が固まった。

葵が作った朝が、鮮明に蘇る。


運ばれてきた瞬間、

湯気と一緒に、優しい香りが広がった。


「うわー、ちょっと俺、写真撮る!」

山下は興奮が止まらない様子で、動かない料理を連写し続けている。


でも、その気持ちはわからなくもない。

本物の二色のだし巻きは、美しくて、温かくて、

葵が作ったものよりもずっと“プロの味”の気配がした。


俊介は箸を持ったまま動けない。

(葵は……これを知っていたのか?)


胸の奥に、説明できない違和感が沈んでいく。

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