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二色のだし巻き
「これ絶対頼もうぜ!二色のだし巻き!」
山下が目を輝かせる。
俊介の胸が固まった。
葵が作った朝が、鮮明に蘇る。
運ばれてきた瞬間、
湯気と一緒に、優しい香りが広がった。
「うわー、ちょっと俺、写真撮る!」
山下は興奮が止まらない様子で、動かない料理を連写し続けている。
でも、その気持ちはわからなくもない。
本物の二色のだし巻きは、美しくて、温かくて、
葵が作ったものよりもずっと“プロの味”の気配がした。
俊介は箸を持ったまま動けない。
(葵は……これを知っていたのか?)
胸の奥に、説明できない違和感が沈んでいく。




