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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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気配だけ

席に着いた瞬間、山下が嬉しそうに言った。


「いや〜俊介、マジで奇跡だよ。

人気の大和さんが“いる日”に予約取れるなんて、ホントに奇跡!」


俊介の胸がきゅっと痛む。

(……今日、あの人……いるのか)


ちょうどそのとき、店員が笑顔で言った。

「大和さん、今日は奥で仕込み中です」


心臓が跳ねた。

姿は見えないのに、

“いる”という事実だけが強く迫ってくる。


山下は気づかずにメニューを開いている。

俊介だけが、静かに息を飲んだ。

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