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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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再び灯りへ

夜、俊介は眠れずに天井を見つめていた。

葵は別室で多分、静かにスマホを見ている。

ふたりの距離は、もう元には戻らない。


同僚の言葉が頭をよぎる。

(あかり)、行ってみない?」


避けていた場所。

でも、確かめたい気持ちが、

静かに、確かに、胸の奥で動き始めていた。


「……行ってみるか。(あかり)


小さく呟いた声は、誰にも届かない。

葵にも、まだ言わない。


俊介の物語が、吸い寄せられるように“(あかり)”へ向かう。


何かを知ってしまうとしても、このまま悶々としているよりずっといい。

葵と距離が縮まらない今、自分で確かめないと俊介は動けない。


やっぱりあの居酒屋「(あかり)」には何かがある。

そうとしか思えなかった。


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