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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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俺じゃない誰かへの微笑み

葵がスマホを見て、ふっと笑った。

その笑顔は、柔らかくて、優しくて、

俺が最近見ていない表情だった。


「どうしたの?」

そう聞ければよかった。

でも、喉がつまって声にならない。


俺の前では、最近笑わないのに。

その事実が、胸の奥に重く沈む。


葵は悪気なんてない。

ただ、自然に笑っただけ。

それなのに、俺の心はざわつく。


影が、現実に近づいてくる。

大和の存在が、直接会っていないのに

日常の中に入り込んでくる。


俺は気づかないふりをする。

それしかできない。

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