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俺じゃない誰かへの微笑み
葵がスマホを見て、ふっと笑った。
その笑顔は、柔らかくて、優しくて、
俺が最近見ていない表情だった。
「どうしたの?」
そう聞ければよかった。
でも、喉がつまって声にならない。
俺の前では、最近笑わないのに。
その事実が、胸の奥に重く沈む。
葵は悪気なんてない。
ただ、自然に笑っただけ。
それなのに、俺の心はざわつく。
影が、現実に近づいてくる。
大和の存在が、直接会っていないのに
日常の中に入り込んでくる。
俺は気づかないふりをする。
それしかできない。




