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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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スマホの光

食卓の上で、葵のスマホが光った。

通知音は鳴らない。

でも、画面の明かりだけで胸がざわつく。


葵は自然に画面を伏せた。

その仕草が、俺の心を静かに締めつける。


誰からだろう。

聞けない。

聞いたら壊れる。

でも、頭のどこかで“あの店の誰か”が浮かぶ。


「……またかよ」


心の中でつぶやいて、すぐに自己嫌悪が押し寄せる。

葵を疑いたいわけじゃない。

疑うような人じゃない。

それでも、影は勝手に形を持ってしまう。


俺の心の醜さだけが、静かに積もっていく。

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