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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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灯りへ向かう足

翌日。

仕事帰り、気づけば灯の前に立っていた。


「今日は行かなくていいだろ」


そう思うのに、足が止まらない。

扉の向こうに、大和の痕跡がある気がしてしまう。


ただ飯を食いに来ただけだ。

そう自分に言い訳しながら、扉に手をかける。


店内はいつも通りの灯の匂い。

でも俊介の胸の中は、昨日とは違っていた。


大和が来るわけじゃない。

葵の過去が突然現れるわけでもない。


それでも——

ここに来れば、何か“点”が拾える気がした。


葵には聞けない。

聞いたら壊れる。

だから、こうして間接的に確かめに来ている。


自分でも分かっている。

これはただの食事じゃない。


影を追いに来ている。

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