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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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三度目の灯り

店に入った瞬間、いつもと違う空気を感じた。

ざわつきというより、どこかそわそわした雰囲気。


スタッフが俊介を見るなり、笑顔で言う。

「今日、大和さん来るんですよ。東京の本社に行ってたみたいで」


胸が跳ねた。

分かっていたはずなのに、心が追いつかない。


料理を頼んでも、味がよく分からない。

箸を持つ手が落ち着かず、店内をさりげなく見渡してしまう。


「来るなら早く来てくれ…」

そんな自分に気づいて、苦笑した。


別に会いたいわけじゃない。

ただ、確かめたいだけ。

それだけのはずなのに、胸の奥がざわつき続ける。


扉のほうをちらりと見る。

まだ来ない。

その“まだ”が、妙に長く感じた。

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