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対面する日
大和が来ると聞いた日が、ついに来た。
朝から胸の奥が落ち着かない。
仕事中も、気づけばスマホを見ている。
(別に関係ないだろ…気にする必要ない)
そう言い聞かせても、ざわつきは消えなかった。
葵とは相変わらずぎこちない。
朝のハグも、形だけ。
腕を回しているのに、触れていないみたいだった。
葵の笑顔が、どこか遠い。
その距離が、今日に限ってやけに重く感じた。
(今日だけ……)
そう自分に言い訳しながら、家を出た。
居酒屋「灯」の前に立つと、胸がひゅっと縮む。
来る必要なんてない。
でも、来ずにはいられなかった。
扉に手をかける。
深呼吸をひとつして、そっと押した。




