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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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顔を見るまで

料理をつつきながら、俊介は考えていた。


葵が向かっていた店。

北海道。

東京で店長。

社員旅行。

北海道に行ってからの葵の変化。


全部が、ひとつの線になりそうで怖い。


「いや、考えすぎだ」

心の中で否定する。

葵を疑うなんて、そんなことしたくない。


でも——

影は消えない。


“来週来る”

その言葉が胸の奥で静かに響き続ける。


俊介はそっと息を吐いた。


「……一度くらい、顔を見てもいいよな」

「それで何もなければ、安心できる」


静かに決めた。


大和さんが来る日まで、居酒屋「(あかり)」に通う。

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