前へ目次 次へ 332/499 ぎこちない毎日 あれから数日。 葵との会話は、どこか薄い膜を挟んだみたいにぎこちなかった。 朝、キッチンでコーヒーを淹れる葵の背中を見ながら、 俊介は胸の奥がざわつくのを感じていた。 「今日、遅くなる?」 「うん。ちょっとね」 短い会話。 それだけなのに、距離ができた気がする。 あの日の固まった葵の表情が、 まだ頭から離れない。 言いすぎたのかもしれない。 でも、聞かずにはいられなかった。 普通に過ごしているはずなのに、 その普通が、どこか不自然だった。