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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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しんどさの痛感

俊介がそっと手を伸ばしてきた。

触れられる直前、身体がわずかに強張る。


俊介は気づかない。

気づかないまま、優しく手を包んでくる。


その優しさが、つらい。


「……うん。やってみよう」


そう答えた瞬間、胸の奥がぎゅっと痛んだ。

嘘をついたわけじゃない。

ただ、気持ちが追いついていないだけ。


帰り道、胸に手を当てる。


“どうして私は、こんなに苦しいんだろう”


ふと、大和の声がよみがえる。


「嫁さんに猛特訓してもらったっていう」


指輪は外していた。

でも、心にはまだ奥さんがいる。

そう思った瞬間、またブレーキがかかった。


> 「だったら……私が出ていっちゃいけない」


19歳のときと同じ場所で、

また立ち止まってしまう自分がいた。


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