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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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往復する日々

北海道と東京を行き来する生活にも、ようやく身体が馴染んできた。

エリアマネージャーとしての仕事は増えたが、現場に立つ時間も嫌いじゃない。むしろ、忙しさに身を預けている方が心が落ち着く。


「今日も東京か……」


スケジュール帳を閉じながら、小さく息を吐く。

企画は順調に進んでいる。本部との調整も、北海道の店舗との連携も、少しずつ形になってきた。


——悪くない。


そう思える自分が、少し誇らしい。

45歳になって、ようやく“自分の歩幅”が分かってきた気がする。


東京店に向かう電車の窓に映る自分の顔は、昔より落ち着いて見えた。

あの頃は、ただ必死で、余裕なんてなかった。


でも今は違う。

前に進んでいる実感がある。


「よし、今日もやるか」


小さく呟いて、駅の階段を上がった。

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