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【4月17日発売】魔力無し判定の令嬢は冒険者を目指します!  作者: まるねこ


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「お父様、ただいま戻りました」

「マーロア、お帰り。無事だったか」


 最近、父は私が家に戻ってくるたびに無事かどうかの確認をする。


 口癖になってしまっているんじゃないかしら。それだけ心配をかけているのよね。本当に申し訳ないわ。


「無事に任務を終えて当分の間はまた王宮勤務になります」

「そうか。騎士団は今大変なことになっているらしいからマーロアも気を付けなさい」

「はい」


 第四騎士団の話は詳しく知らなくても王宮の騎士たちがバタバタと忙しなく動いていたから父の耳にも入ったのだろう。


 これから詳しいことがわかってくるよね。


 私は父に報告をしてようやく自室に戻った。


「疲れた……。もう当分任務は遠慮したい」


 そう言いながらソファに横になったまま気づけば朝になっていた。


 ……くっ、晩御飯を食べ忘れていたわ。私としたことが。


「お嬢様、おはようございます」

「オットーおはよう。昨日は疲れてそのまま眠っちゃったし、お腹がぺこぺこなの。少し早いけれど、食事の用意はできる?」

「もちろんです。すぐに用意させます」


 私は着替えてすぐに食堂へと向かった。そういえばアルノルド先輩はあの時携帯食を食べていた。何か作って持っていった方がよさそうよね。


 食事をしている時に料理長に軽食を作って欲しいと要望し、私は料理長が作ったサンドイッチを持ってアルノルド先輩のもとへと向かった。




「アルノルド先輩、おはようございます」

「マーロア、おはよう」


 昨日少し片づけていた分、歩きやすくはなっている。


「先輩、朝ごはんは食べましたか?」

「いや、まだだが」

「よかった。きっとアルノルド先輩は研究に夢中になって朝食を摂っていないんじゃないかと思って持ってきました」


 私はそう言って鞄からサンドイッチを出すと、先輩は立ち上がり、お茶を淹れ始めた。


「助かる。ちょうど腹が減ってきたところだったんだ」

「あの、アルノルド先輩」

「ん、なんだ?」

「昨日、これを貰ったんですけど、大丈夫かなって思って。私は鑑定魔法が使えないから先輩に見てもらいたくて……」


 そう言いながらポケットから昨日貰ったチャームを先輩に見せた。


 アルノルド先輩はパンを齧りながらチャームを受け取り、不思議そうに見ている。


「ん? 普通のチャームに見えるが、これがどうしたんだ?」

「私も普通のチャームだと思うんですけどね。先日カフスを貰った時は自分の居場所がわかるような魔法が施されたカフスだったんですよ! 危うく襲撃されるところだったんです。もしかしてこれもそうなんじゃないかなーって不安になって……」

「そうか」


 アルノルド先輩はサンドイッチを片手に持ち、封印魔法を解除し、チャームに鑑定魔法をかける。


「ふむ。問題ない。何の変哲もないただのチャームだ」

「よかった」


 私はチャームを先輩から受け取り、ポケットに仕舞う。


「だが、マーロア。そのチャーム、どうするんだ? 剣に付けるのか?」

「いや、さすがに付けませんよ。これは任務中に知り合った人からいただいた物だし、私が付けるのはちょっと違うかなって」

「まあ、それがいい。だが、あまり受け取らない方がいいんじゃないか?」


「なぜですか?」

「そのチャームをよく視てみろ。家紋が入っているだろう?」

「ええ、入っていますね」

「マーロアを気に入って嫁に迎える気でいたんじゃないか?」

「そうなんですか!?」

「……ファルスも大変だな」


 アルノルド先輩は呆れたように笑った。


 そんな大事な物を知り合って数日の女性に渡すなんてっ。罪悪感を覚えるわ。でも、気づかず受け取ってしまったのは仕方がない。後の祭りだもの!


 私は開き直るしかないわよね!


「ま、まあ、どうせもう会わないと思うし、大丈夫ですよ、きっと!」

「そうだな。まあ、気にすることはないんじゃないか? 騎士ならよくあることだろう」


 そんな会話をしつつ、私はアルノルド先輩の部屋を再び片付け始めた。相変わらず魔石がゴロゴロと床に落ちている。拾っては箱に入れ、戸棚へとしまっていく。


 アルノルド先輩は昨日、あれから魔石が付いた眼鏡を探し出していたようで紙に魔法円を描いて魔法をかけている。


「マーロア、できたぞ。わざわざ粗悪品にするのが大変だった」


 そういってできたてほやほやの魔道具を私にくれる。


「アルノルド先輩、これはどうやって使うんですか?」

「かけてみるといい」


 私は言われるまま、恐る恐る眼鏡をかけてみると、魔力が目に集まってくるのがわかる。けれど、無理やり魔力を使わせている状態らしく目に痛みを感じる。


「イタタタ! 先輩、目の周りが痛いです」

「それはそうだ。わざとそうしたんだから」


 私は痛みを堪えながら目を開くと、そこには魔力を通して先輩の姿が全く違って見えた。


「!! アルノルド先輩の魔力が見えます! 凄い」

「これは無理やり魔力を体外に出すための物だからな」

「なるほど、魔力症の人向けの方法だったんですね。この痛みは粗悪品によるもの……。せめて良品にしてほしかったんですが」

「優しく抜いていたら魔力の流れがわからないだろう?」

「まあ、そうなんですけど……」


 反論できないのが悲しいところよね。でも道具を作ってもらったのだからこれから訓練がはかどるに違いない。


 私は大急ぎで部屋の片づけをしていった。


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