123☆祝いの更新☆
何を聞かれるのだろう。不安になりながら部屋に入る。ここ第三会議室は少人数で会議を行う部屋で、室内は長机と椅子が置かれているだけだ。
「とりあえずそこに座ってくれ」
「……はい」
部屋には私とヴィーノ団長だけだった。私の後ろにいた騎士はどうやら外で待つようだ。
「さて、君の周りはいつも賑やかな気がするんだが?」
「えっ? 賑やかですかっ?」
私は不思議そうにしていると、団長は腕を組みながらクスリと笑った。
「ロア君、言い訳はあるかな?」
!?
「ヴィーノ団長……そんな、言い訳だなんてっ」
私が慌てて取り繕おうとしていると、ヴィーノ団長は笑いながら話をする。
「君の特技だろうか。それとも騒ぎを引き寄せる体質なのか。まあいい。ロア君は今、第四騎士団の調査中だったな」
「はい」
「君のその体質は役に立ったと言っていい。君のおかげで人身売買をしている闇商会の拠点を突き止められた」
「私が第四騎士団へ配属されてまだ数日なのに特定できたのですか?」
「ああ。以前から平民の女性が失踪する事件が頻発していたんだ。捜査をしていくうちに、『貴族が一枚絡んでいるのではないか』という話が出ていた。さらに詳しく調べ、どうやら騎士団が関わっている可能性があるとなった。
今後の方針を陛下へ報告していたところ、運よく零がいつもの騎士団内部調査を行うという話を聞いたのだ。陛下の許可をもらい、零で得た情報をこちらにも渡して欲しいと依頼していたんだ。騎士団内の調査はどうしても身内に甘くなる傾向があるから助かった」
「そこで私が定期調査に入ったんですね」
「ああ。まさかこんなにも早くやつらの尻尾を掴めるとは思っていなかった。ロア君のおかげだ」
「でも、どうやって闇商会と繋がっているのがわかったのですか?」
「君のその胸ポケットに入っている代物だ」
胸ポケット……?
そういえば第四騎士団に入った時にカフスを貰って胸ポケットに入れていたことを思い出した。
「……カフス、ですか」
そう言って私は胸ポケットからカフスを取り出し、机に置いた。
「そのカフスが君の魔力に反応して知らせを常に出している状態なんだ」
「えっ!? ということは最初から私は目を付けられていたのですか?」
まさか最初からだったとは。
全く気付いていなかった。
遠い目になってしまったのは仕方がないわよね!
「ああ、そうだ。このカフスは騎士団でもらっておく。闇商会に君は狙われたくはないだろう?」
「ええ、もちろんです!」
魔力が見えれば魔道具が動いているのもすぐにわかる。見えないと、ただのカフスにしか見えないのよね。きっとカフス内部に魔法円が仕掛けられているのだろう。
これは絶対に魔力が見えるように訓練しないといけないわね。急務よ! 零に戻ったらすぐに訓練に入ろう。
私はそう心に誓いながらヴィーノ団長の話を聞いた。
「この後、私はどうすればいいでしょうか?」
「姿を変えて零師団へ戻るように。あとは零師団の方から指示があるはずだ」
「わかりました」
騎士団で定期的に行われている内部調査だと思っていたのに闇商会とか、人身売買だとか、まさかの展開に私は驚くしかない。
私はヴィーノ団長の指示で姿を変えて零師団へと戻った。
「ジェニース団長。ロア、只今戻りました」
「ああ、お帰り。ロア、よくやった。ロアのおかげで騎士団内部にメスを入れることができた」
「私はただの内部調査だと思っていたのですが、まさかこんな大事になるなんて思ってもみなかったです」
「たしかにな」
珍しくジェニース団長は笑っている。
「ヴィーノ団長からも私の周りはいつも賑やかだって笑われちゃうし」
「あら、平凡な日常よりスリルがあって楽しいじゃない」
リディアさんが横からそう言うと、机の上に置いてあった白い箱はヒュンと私の足にぺたりとくっ付いてきた。一体この箱は何なのだろう。
「今回のことで人の魔力が見えるようになるのが急務だということがわかりました」
「ふふっ、そうね。第四騎士団の方は落ち着くまでしばらくかかるみたいだし、訓練に入るといいんじゃないかしら?」
「ああそうだな。メイアは少し目立ってしまったからな。後処理はヘンドリックに任せてロアは次の指示があるまで待機だ」
「わかりました」
私は訓練場へ向かう前にアルノルド先輩の研究室へと向かった。
最近忙しかったこともあって先輩に全然会っていなかった。
先輩は元気にしているだろうか。
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