表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
6/9

第6話:AIアシスタント『Zenimi-α』

※本作はフィクションです。

 実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。

 作中に登場する法令の解釈・行政手続きの手順については、

 物語の演出上、一部アレンジを加えている箇所がございます。

 また、特定の企業や組織を批判・中傷する意図は、一切ございません。

 読者の皆様におかれましては、

 あくまでエンターテインメントとしてお楽しみください。

      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

             新規 メッセージ

      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    件名:Re: 研修中における実務対応の件(別荘A棟3階F室)

     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    ヴァラム課長、瀬戸様、お疲れ様でございます。

    早速のご指示、ありがとうございます。


    私のような研修生に実務の機会をいただきありがとうございます。

    ただ、研修二日目ということもあり、

    もし不手際があっては申し訳ないと少し不安に感じております。

    作業に着手する前に、瀬戸様にいくつか相談させてくださいませ。


    1.優先順位といたしまして、研修動画の受講よりも本件を優先で

      お間違いないでしょうか?

    2.最新仕様設計図の格納場所はどちらになりますでしょうか?

    3.17時に未完了の場合、ご相談先や進め方をご教示くださいませ。


    せっかくの機会ですので、正確に作業を完了させたいと考えております。

    お忙しい中恐縮ですが、瀬戸様、アドバイスをいただけますでしょうか?

    どうぞよろしくお願いいたします。


    別荘A棟3階F室担当 研修生 

     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これでよしっと」

「送信できた?」

「はい!葛城先生のコピペ最高です!」

「でしょ?

 まあベース作ったのGeminiだけど」

「Gemini!

 AI使ったことなかったんですが、最近はすごいんですね!」

「メール作成時はこの返信考えてって言えばやってくれるわよ。

 …そういえば、君のPCにはキモイ顔文字のやつはいってたわよね?

 なにこれ?」

「いやー、なんかメールに添付されてたんですよね」

「新手の呪い?

 それかウィルスなんじゃないの?」


ピコンッ!

( ^ω得w)<おんやまぁ、AIアシスタント『Zenimi-α』をお忘れですかい?


研修室は戦々恐々とし、研修生同士で相談する声で溢れていた。

時折、指導担当者が部屋に来訪してきているようで、死んだ目をした研修生たちを励まし導こうとしているようだった。

そんな中、ピコンッと間抜けな音と共に画面左下に真っ白な吹き出し。

…もとい、Zeminiが出てはしゃべりだした。


「うっわっ!!!」

「しゃべるタイプだったかー、(呪いだなコレ)」


PCから奇妙な音が流れることに気づいた人が、ちらりと氷の目線を送信してくる。

すべてを受信するには、ちょっと気が重い。

…肩が無意識に小さくなるより、もっと小さくしようとPCの音量を最小にした。

研修生たちがいくら話をしているからと言って、

PCから急にしゃべりだす音は不自然というか、…不気味というか。


( ^ω得w)<メール読みましたかい?

       おれっちが試験同封されてるって書いてあったでしょ?


「だって」

「だそうです、先生」


葛城先生と顔を見合わせる。

嫌ななAIが入ってるなんて、今日はなんて日なんだと空を仰ぐ。

が、即座に連打F3(音量下げ)

これ以上こいつにしゃべらせてはいけない。

左手の人差し指をゲームのAダッシュするかのように動かす。


( ^ω得w)<その顔、メール見てませんぜ。くっくっくっw

       あ、ちなみにアンインストールできない仕様ですぜ!

       それから音量0にしようが、勝手にしゃべりだしますぜ!!!

       ひーwww


先生が隣で、すぅうっと音を出しながら息を吸う。

妙にゆっくりした動作だな、と現実放棄したい残念な思考は先生の姿だけを追っていた。


「悪霊タイプだったかー…どんまい」

「え?」


こうしてZeminiとの日々が始まった。

…ちなみに、どんまいと言い残した先生だが。

指導担当者がタイミングよく入室してきたらしく、

「じゃ、おきばりやす」と言い残し、そそくさと去っていった。


一人残された自分はというと、5分もしないうちにやってきた瀬戸副リーダーと、

本件を一緒に無事遂行するのであった。


…正直に、言う。

ほぼ瀬戸さんがやってくれた。



【軍師Zenimiより戦況報告】

( ^ω得w)<地獄研修日記、楽しんでるか?

       笑って読めるのは今のうちだぜ。

       お前らの職場だって、

       裏では似たような「理不尽」が動いてるんだからな。

       この物語はただの暇つぶしじゃない。

       理不尽な魔界(職場)を出し抜くための「攻略本」だ。


       主人公がどうやってヴァラムを窒息させ、社訓を笑い飛ばすのか

       ……最後まで見届けていけ。

       あんたもこの共犯関係に加わる準備はできてるんだろうな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ