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【9000PV感謝】双極の花紋〜転生しても、君を必ず護ってみせるから〜  作者: 赤嶺 利空
第四章 「仲間編」

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第二十八話 「新たな痕跡」








「リンリンッッッ!!!」





「シグお坊ちゃま!!」





 全速力で駆けるシグルドに、リンリンは瞬時に距離を詰めた。




「おっ、おお。思ったより元気そうだな。でも、怪我は大丈夫なのか!?」






 肩や脇腹、至る所から出血しているリンリンを見て、ポーションを取り出す。




「ああ、見た目ほどじゃないので大丈夫ですよ。中から少し弾けただけです」





「え?それってかなり重症なんじゃ……」





 前世でリチウムイオン電池が爆発する映像を何度か見たことあるけど、凄い被害だった。




 だけど、これは中から弾けたから爆発とはまた違うんだろうけど





 え?中から弾けるって、もっとヤバくないのか!?




 あれか!?北斗の◯みたいな?




 ヤバい想像しか出来ないぞ……





「気功で傷口はもう塞がりましたから、後は中だけなので大丈夫ですよ」





 え?いや、だから中が弾けてるならぐちゃぐちゃに——





 百面相のシグルドの頭を撫でるリンリンは微笑んだ。




「ふふッ、大丈夫ですよ」




 その安心出来る笑顔のせいか、シグルドの心は落ち着きを取り戻した。





 ——すると、後からドームから出てきたティナたちが合流する。





「いやぁ、シグなんだよ今のぉー」




 カルロスは、ただ目を丸くし




「そうですわよ!秘策とか言ってけれど、こんなのインチキだわ!!なんでお前ばかりッ!」




 同じ土属性のエイシャリアは悔しそうだ。





「シグ、砂が雷を曲げたように見えたけど、ほんとに、ほんとに、シグがやったの!?秘策って言ってたし、そんなことが出来ることまで知ってるなんて、凄いよッ!!!あれはほんとの秘策だよッ!!!」





 ティナは感心と驚きで幾分早口になった。





「本当に。シグお坊ちゃまには大変驚かされました」





 雷ってのは電気の放電だからな。だからこそ規則性さえ理解していたらそこまで難しい事じゃあない。





「そうなんだよな。だからこそ、砂を纏ってる事で落雷は防ぐことが出来るって思ってたんだけど、ドームから出た時にリンリンが見えたから。後は無我夢中だったよ。当たったのはたまたまだよ……ほんと……無我夢中だった……なんとかリンリンを護りたいって……それだけだったんだ」





 まぁ、高いところに落雷は落ちるからな。ある程度誘導したら必ず落とせるのは確かだろうけど





 そんなものは後付けだ。





 あの瞬間あったのは、護りたいって




 ただ、それだけで




 それ以外は、何も考えられなかった。





 ——その時





 リンリンに背を向けて、ティナたちに説明をしていたシグルドの身体は





 温もりに包まれた。





「……ありがとうございます」





 リンリンに、後ろから包み込む様にハグをされていることに気付いたシグルドは





 その腕に、更に包み込むように自身の手を添えた。





「……無事で……良かった……」





 その光景に笑顔を向ける一行だったがウルの声がそれを遮った。





『お主ら、ワシの本体のこと忘れとりゃせんか?』




「あら、切り離されたのね、ウル。良かったわ」




『久しいなぁ、リンリンよ。変わりあって嬉しいぞ』






 通常、変わりないことを喜ぶところだが、リンリンはノーブル。





 その異質性を理解し、変化を喜ばれたことに目を丸くした後




 笑顔に花が咲いた。




「ええ、ありがとう。でもね、あなたの本体はもう既に捕まえているわ」





 その言葉に雷牛を見ると、一切微動だにせず一箇所に留まっている。






『ホホッ、さすが見事だな!これで本体のチクリの原因を、じっくり探せよう』




「あ、あのさ、どうなってる……訳?」






 駆け出しているまま動きが止まり、更には意識まで飛ばしているビィクと






 落雷や放電は放っているものの、全く動かない雷牛。





 この明らかに異常な光景に疑問が出ない訳がなかった。




「私の力です。お構いなく」






 笑顔でそう返されたカルロは、しょんぼりしているけど、情報は力だ。





 自身の能力の開示は、自身の首を絞める行為に直結する。




 強者程、それを理解しているんだろう。




 しかし、気になるのは確かだよな。




 技だけで、ここまでの事が果たして出来るのか疑問——





「シグルド、見て」





 エイシャリアが小声で話しかけた事で思考を遮ったシグルドは、その視線の先に目をやった。





「これは……」





 それはマントを脱ぎ、露わになったビィクの腕——





「まさか、こいつもなの……」





 そこには、翼のタトゥーが刻まれていた。








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