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【9000PV感謝】双極の花紋〜転生しても、君を必ず護ってみせるから〜  作者: 赤嶺 利空
第四章 「仲間編」

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第二十二話 「魔王十二将」










 シグルドのいる土の丘へと放たれた指突が、突然彼方へ弾かれる。





 驚いた男は感嘆の意を唱えた。





「へー。君、なかなかやるね。指突を防がれたのは10年ぶりだよ。あの時バルディーニでも無理だったのに」






 その意味深な言葉に眉をひそめるリンリン。





 その言葉は、思った以上に最悪な現状を予感させる。






「10年前……バルディーニ様と戦った……?まさか……お前は『ダース』……?」






「……お爺様と……?」






 突然、祖父である四英雄の一人バルディーニの名が出たティナは当然困惑する。






「あぁ、紹介が遅れて悪いね。そうだよ、僕は『魔王十二将デュオデキム』が一人。ディギトゥスのビィク」




 予想通り、最悪の予感が当たっていたリンリンは、苦虫を噛み潰したような顔で男を睨んだ。





「……やはり」






魔王十二将デュオデキム……?ディギトゥス……?」





「あぁ、ややこしくてごめんね。僕たち『魔王十二将デュオデキム』は、通称『ダース』って呼ばれてるんだ。長いからかな?どっちで呼んでくれても良いよ。あと、僕はジギタリスの花、指の花紋使いだよ」







 魔王十二将……初めて聞く名だが、確実に魔王の幹部に違いない。





 何より指の花紋使い……





 魔王の幹部はみんな花紋使いなのかもしれない。





 ——男は不意に、シグルドのいるドームを見つめ、にっこりと笑った。





 な、なんだ……?






「シグお坊ちゃま、あまり顔を出さないでください」







 ドームに空いている覗き穴から覗くシグルドの顔を隠すように前へ出たリンリンを見ると、男は初めて怪訝そうに眉をひそめた。





「君、物知り顔だね。ふーん。大丈夫、まだ何もしないさ。それは君も分かってる事だろう?僕もまだ死にたくは無いしね。——ただ、ね。目的がないわけじゃあ、ない」





 ——その瞬間






 ビィクと名乗る黒ずくめの男は、数百メートル離れたエイシャリアの元へと





 音もなく現れた。






「エルッッッ!!!」






 ——だが






 次に狙う場所を先読みで読んでいたカルロスが、その僅かな動きの間に割り込み





 双剣で斬りかかる!





 ——キィィィィィィン






 ——しかし





 双剣の斬撃は、ビィクの指で簡単に止められたのだ。





「おやおや、姫の騎士は物騒だね」





 まさか、この距離を一瞬で……





 しかも、指で剣の刃を止めた……だと!?





「さっきから見ていたけどね。君たちは、僕等の悲願の邪魔になりかねない。だから、ここで終わらせよう」





 エイシャリアとカルロスを見つめ、意味深に告げたビィク。






 なん、だと……!?





 そんな事させる訳ないだろ!!!





「『プロテクトサラス』」





「『指突ディギトゥス・プンクティオ』」





 ——ガラガラッッッ






 しかし、土の盾は指突により簡単に砕かれた。





 ——いや、砕かれたというよりは崩れ去ったという表現が近いだろう。







 くッッッッ







 また……魔力の流れが消えた






 これじゃあ、防御に特化した土魔法の意味がないじゃないか……






 崩れ落ちていく土の盾の中から、尚も迫り来る指突





 ——それを、甲高い金属音が遮った。






 ——キィィィィィィン






 そこには





 剣を振り抜いているカルロスがいた。







「……まさか、君にまで……!?……思った以上に育っているようだね」






 まさか……





 カルロにはあの速度の攻撃まで見えてるのか





「……シグ……大丈夫……軌道さえ分かれば受け流せないことはない……」





 悪い予感がして放った『プロテクトサラス』は、奴が『指突』を放つ直前に運良く展開出来た。





 だが、あいつには魔法自体を打ち消す何かがある……





 つまり、俺では護れないって……こと……






「なかなかやるじゃないか。これはどう?」






 ——その時





 不適な笑みを浮かべたビィクの指から、無数の指突と思われるまばゆい光が放たれた。





「『指閃連突ディギトゥス・フルゴル・コンティヌウス』」





「くッッッ」






 それを双剣で受け流し続けるカルロス。






 甲高い金属音が連続で鳴り響き続ける。







 ——もちろん





 来る方向が分かっていたとしても






 全てを受け流せる速さを





 カルロスは持ち合わせない。





 それは、気功や神聖力による身体強化も





 風魔法による属性付与も





 全てが付与された今の状態であっても。







「カルロッッッ!!!」







 エイシャリアの絶叫にも似た悲痛な叫び声が聞こえる。





 対応しきれない指突の直撃により





 右脇腹、左肩、右足





 いたる場所から血飛沫が飛ぶ






 しかし、崩れない





 一撃一撃が






 銃弾のような威力の『指突』の嵐






 一度でも崩れれば






 そのままエイシャリアにまで届いてしまう





 この間わずか10秒足らず





「『ニードルサラス』」





 ——シグルドが咄嗟に発動した土の棘は





 指突の一撃で発動と同時に音を立て崩れ去る。






 この閃光のような猛攻の中、詠唱をしている時間はない。






 何度かティナの弓の速射も放たれるが





 同様に指突に弾き飛ばされる。





 目を覆いたくなる惨劇に、なす術のない状況






 ハンドガンに触れる手が、酷く震える。






 そんな己の無力に、頭をフル回転させるが





 打開策が見つからない






 ——しかし、その時





 ビィクとカルロスの間に、円月輪が現れる。






「『滅界輪舞めっかいりんぶ』」






 高速回転の影響からか、円月輪は空中で停滞し続け





 指突が円月輪の刃に当たった瞬間





 音もなく、その存在ごと





 消失していく——






「へー。先に君を倒さないとダメみたいだね」





「そうね。やっと身体の回復も終わった所だし、お前のスピードにも対応出来るわ」









お読みいただきありがとうございます!

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評価★も励みになります!続きもぜひ読んでくださいね。

この物語は日・水・金の19時台に更新します。

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