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【7000PV感謝】いつも不遇のオレンジ色と土属性を押し付けられての貴族転生だけど、いずれ魔王を倒す〜しかも一緒に転生した子は異世界で魔法少女を望む〜  作者: 赤嶺 利空
第三章 「出会い編」

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第十三話 「新アトラクション」











 サンドアートを堪能した2人は、いよいよお待ちかね、新アトラクション、砂流滑りに挑む!



 新アトラクションと言っても、脱出ゲームの罰ゲームに蟻地獄があるので、さほど違いはと思われるかも知れないが、前世のウォータースライダーの砂バージョンと思って頂ければ違いが分かって貰えるだろう!




 超高速からの砂流滑り!ウネウネとうねる長い筒の中を滑るのだ!




 乗り口に着き、2人専用のエアーボートに乗る。砂が口に入らないように、エアーボートには保護膜が張られている。もちろんドワーフ製である。



 ティナ様は日頃から神聖力で飛び回っているからか、こう言った絶叫系が好きなようで安心するな。



 確かに緑の国はジェットコースターとかあるみたいだし、慣れてるんだろうな。かなりワクワクしているのが伝わって来る。




「わぁー!高い!ここから滑るんですね!!すっごい楽しみですねー!シグルド様ー!」




 ふふっ、凄くはしゃいでくれてるな!砂流滑り作って良かった!



 ただ、楽しみで気付いていないみたいだけど、2人乗り用のエアーボートには保護膜があるものの、安全を考慮してかなり密着するんだよな。




 大丈夫かな。





 シグルドの前に座るティナをしっかりと後ろから抱く形で手を回している。



 しかも若干寝そべる形だ。




 つまり、シグルドの手はティナの胸下に回されている。




 そこで分かった事だが、ティナは身長の割に胸がある事。まだ12歳なので、成長途中なのだが、シグルドの腕の上にしっかり胸が乗っている。




 昨日のパーティドレスでもデコルテの開いたドレスであった為、ティナの谷間はしっかりとうかがえた筈なのに、心では獣のようではあるが、性の対象として見た事がなかった為、まったく気付かなかったのだ。



 ティナは同年代よりは背が低いものの、かなり発育が良く特に胸の成長が著しい為、将来は豊満な女性に育つだろう。




 えっ!ちょっ!




 これ、俺が困るんだけど!




 確かに前世なら来年から中学生の年齢だけど……




 12歳ってこんなに成長してるのか!?




 俺、女の子の、む、胸とか触った事ねーよ!?




 そして、シグルドの股上に寝そべる形でティナとの体はピッタリと密着している。




 手を握っただけで頬を染めるティナだが、楽しみ過ぎて気付いていないが




 当然、健全で純情な少年シグルドの身体は、初めての異性の感触に思春期らしい反応をみせている。




 ヤバイッ!ヤバイッ!気付かれるって!!




 腰をモゾモゾさせながら身体をクネらせ、どうにか密着を避けたいシグルドだが




 動けば動く程、腕に乗る胸の感触を感じてしまう






「シグルド様」





「ッはいッッッ!」





「座り心地悪いですか?あっ!」





「ッはいッッッ!」





「すみません。重くないですか?私ったら、体重預け過ぎてしまって」





「い、いえ!まったく重さを感じませんのでご安心下さい!ただ、座り心地が悪かっただけなので」





「それなら良かったです!あっ!」




「ッはいッッッ!」




「もう、始まるみたいですよ!ドキドキしますね!楽し——」






「スタートでーす」





「キャーーーッ」





 突然従業員にエアボートを押され急流を滑り落ちる!





 突然の浮遊感に、楽しんでくれてる。





 よ、良かった……ッッッ!!!





 バッ、バレなくて!!!




 滑り始めると、なかなかのスピードだ。




 下に流れる砂の魔石が魔法で動いているからだろうが、スタートしても、ずっと頭から離れなかった卑猥な意識は超スピードの急流によって掻き消え、格好悪い事に叫んでしまうシグルドを余所に、手を上げてケラケラ笑っているティナ。



 着地地点には大量の泥がある。




 着地と同時に乗り物はひっくり返り




 保護膜は解除し




 身体は投げ出され




 ドブンッ、と頭まで泥まみれになり




 互いに互いを見て大笑いした。





「「あっはっはっはっ!」」




 砂も泥も反射の光魔法の効果が継続中なので、汚れないから安心だ。





 その後——





 何度か堪能した後に、シグルドの方を振り返るティナ。





「今日はありがとう!シグルド様は本当に素敵な婚約者です!」





 今日一番の笑顔は





 キラキラと輝いている。





 うわぁ、この笑顔……





 これはずっと、忘れないだろうな。





 心から連れて来れて良かったと思い





 笑顔が刻み込まれる。






「最後に、もう1回」





 と、またエアーボートに乗る2人。





 もちろんまた同じ体勢になる。





 もう何度もしているので、シグルドは慣れているのだが





 遂に、ティナが気付いてしまった。





「えッ?!シグルド様!!?」




 ビクッと身体ごと反応したティナからは、歯切れの悪い言葉が続く。




「……そんな所、ずうっと……触ってたのですか……しかも、体が……体が……密着してます……」





 あっ、漸く気付いたんだな。




 やっぱり分かってなかったか。




 フッ、少しイジメてやるかな。





「今更ですよ。それに、お互い様ですよ」




「えっ……?あっ……!」





 わざと耳元で呟くシグルド。




 恥ずかしそうに、どんどん赤面するティナ。





 今日一番の赤さだ。




 緑の瞳に赤い顔はよく目立つ。




 モゾモゾ上半身をのけ反るが、シグルドががっちりホールドしている為動けない。





「離れたら、危ないですよ」




「恥ずかしい、です……」




「喋っていると、舌を噛みますよ」





 滑っている間、ケラケラと笑うティナの声は、聞こえて来なかった。




 アレ?少しイジメ過ぎたかな?




 精神的には前世と合わせて28歳になるシグルド。



 ただ、前世の人生が16年で終わった為、人生経験は少ない。女性の扱いも皆無。




 更には、精神年齢が肉体年齢に引っ張られている。




 それ故、どれだけ大人ぶっていても経験不足の為、精神年齢が16歳を超える事はない。



 心は16歳でも、身体の年齢には勝てず、表情など年相応になっている為、すぐに顔に出てしまう。




 滑り終わり




 今までのようにケラケラ笑う反応を期待してみたが




 やはりティナは無言である。




 心配になり顔を覗き込むと




 真っ赤になっていた。






「……エッチ」





 プイッ、とそっぽを向くティナ。




 あっ、やっぱりやり過ぎだったか!?ちょっと大人の真似事をしてみたくなった自分を殴りたい!




 でも、ふふっ、12歳の女の子でもこんな大人っぽい表情をするんだな。




 なんか、可愛いな。




 昨日の晩餐会の時の大人っぽいティナ様とも違って、これはこれだな。



 なんだか聖女様って神格化してたから、ちゃんと女の子として見れてなかったんだな。




 まぁ、最初から可愛いとは思っていたし、惹かれていたのは事実だけど、最初はティナ様10歳だったし、前世の分との年の差は大きいかなって思ってたんだけどなぁ。




 まだ少しの時間しか一緒にいてないし、不本意ながらプロポーズをしてしまった手前、今回の事は流される形になったのが申し訳なく思ってるし。




 外見的にはまだまだ少し幼いけど




 あれから2年かぁ。




 ティナ様、大人っぽくなったんだなぁ。




 結婚したらずっと一緒なんだ!




 数年後には大人になるし、お互いちゃんと恋愛感情も出て来て欲しいな。




 その為には、俺の寿命をなんとかしないとな——





 夕方になり、陽は落ちかけている。




 白いティナの髪は夕陽と混ざり薄らオレンジ色になっていた。





 フッ。





「帰りましょうか」




 ティナはなかなか許さないつもりだったが、シグルドの表情が柔らかい為、怒りも収まり手を繋いで帰路に着いた。








 リオーネ城では、昨晩の様に両家で晩餐を嗜み過ごす。




 今日が楽しかったからか、ウキウキとした感情に、テンションを上げているシグルド。




 自室のベッドで、枕を抱え、何度も何度もゴロゴロしている。





『シグルド、少し気持ちが悪いから、やめてくれないか?』




「なっ、なんだよルフ!俺が何かしたかよ?」



『気付いていない……だと?そうか、重症だな。いや、止そう。だが、せめてそのニヤけ面を見てみろ』





 何の事だか分からないシグルドは、鏡台の前に立った。



 そこには、驚愕する程にニヤケ切っただらしのない自分の顔があったのだ!




 えっ?嘘だろ?いつからだ?なんだこの顔は!どうなってるんだ!!これが、俺の顔だと!一歩間違えたらカルロじゃないか!




 シグルドは転生してからというもの、順風満帆な人生を歩んでいた為、自分という存在に5割り増しの補正をかけている。脳内の自分は、いつもキリッとしたキザ男だ。




 だが、現実はそうではない。前世通り、人当たりの良さそうな顔。




 シグルドは仕草でカバーし、キザ男を演じているが、実は一切そうではなく、地が隠し通せる訳もない。




 逆に人当たりの良さが表情や仕草に前面に出ている事が好感を持たれているのだが。




 しかし、今の顔は確かにマズイ。




 12歳の少年だから、ギリギリ許されるだろうが、貴族としてはどうだろう。




 しかもティナの前で、更にはティナの両親の前で、だ。





 ヤバイ。





 キモイ。





 これは、詰んでるんじゃないか?





 鏡の前で、自分の両頬を叩きまくるシグルド。




『もういい。止めろ、シグルド!鏡を見るんだ』




 これくらいで、治るもんか!




 そう思い鏡を見ると、両頬が少し腫れているものの、いつものシグルドに戻っていた。




 え?嘘だろ?ラッキー!




 やったー!これでもう安心だな。




 あぁ、ホントに良かった。




 これで婚約してすぐに嫌われるような失態はしないな!




 ん?しかし、なんでこんなにニヤケてるんだ俺は?




 さては、何者かによる攻撃でも受けたのか!?




 くっ、気が緩んでいる証拠だ!




 ハッ!ティナ様は無事だろうか!?




「ティナ様は無事かッ!?」




『なんだ?!どうかしたのか!』




「俺の顔をこんなにしたんだ!何者かの攻撃は、ティナ様に影響は無いのか!?」




『何の話……って……あぁー。大丈夫なんじゃないのか?そろそろ寝たらどうだ?鬱陶しいぞ』




「なっ、俺はティナ様の安全を任されたんだぞ!?もっと慎重に行動するべきだった!!ティナ様の様子を見て来る!」




『いや、大丈夫だ。それに時間を考えろ。もう寝ている時間だろう』




「だが、安全確認が最優先だ!」




 しつこいシグルドに呆れるルフ。



 異常なテンションで何をするか分からないのが心配で、自室に戻れないルフの、長い夜は続いた。





——————





 ティナがリオーネ領に訪問して3日目、本日が最終日である。




「おはようございます!」




 今朝も昨日と同じ挨拶を交わす。




 いずれ、こんな日常が毎日続く未来もあるのかと思い、少し楽しみになるシグルド。



 そして、同時に恐怖し、グッとと拳に力が入る——





 天候の兼ね合いもあり、本日の正午にはリオーネ城を発つので、少し寂しくもある。



 ティナも同じ気持ちなのか名残惜しそうにしてくれているのが心地良い。




 自分の気持ちを理解しているつもりだが、思った以上に百面相のシグルド。




『また出ているぞ、シグルド』




「嘘だろ!ヤバイ!少し外します!」




 こそっと、ルフが教えてくれたので、大慌てで洗面所に向かう。





 数分後、何とか表情筋が定着したシグルドを




 楽しそうに見つめるティナであった。




 





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この物語は日・水・金の19時に更新します。

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