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【5000PV感謝】いつも不遇のオレンジ色と土属性を押し付けられての貴族転生だけど、いずれ魔王を倒す〜しかも一緒に転生した子は異世界で魔法少女を望む〜  作者: 赤嶺 利空
第二章 「青の国編」

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第十八話 「大公城」








 さんざん泣き腫らした後、遺体も残らなかった虫人のいた場所に目を向けるシグルド。






 何もない……




 何も……残ってない……




 花紋に目覚めたばっかりに、狂人化して……




 さんざんしたくもない事に手を汚した……




 花紋がこんなに危険なんて……




 ナディは大丈夫なのか……?




 それに、そんなものを成人の儀に授けられるって、祝福って言ってたけど、リスクでしかない……




 花紋ってなんなんだ……




 ナディとの違いも気になる……




 ん?




 シグルドは、虫人の消えた場所に、キラリと光る宝石の様なカケラを手にする。




「……緑色の……カケラ……?」




 不思議だ。手にすると少し落ち着く。




「気に入ったのなら持っててやると良い」




 クラークにロケットペンダントを手渡され、中にそっとしまい、大事に掌で包み込む。





「……はい……」




 シグルドの背を撫でた後、スッと立ち上がる。




「大公城はもうすぐだが、敵の全貌が見えていない以上、気を引き締めて向かうぞ」




「いえ、父様。浄化を施してくれた母様が心配です。父様は母様の元に戻って頂けますか?」




「バカな事を言うのはやめない。如何に母さんが浄化発動後で眠りに着いていたとしても、我が子を残していく選択肢はない。何より心配はいらないよ。アンナの事は強力な援軍に護って頂いている」




 ポンッと頭を撫でると、シグルドは安堵の表情を向けた。






 クラークとリオーネ騎士団の面々は、それぞれ馬に乗っている。子供たちと相乗りをしてもまだ騎士たちの人数の方が多い為、安全は確保出来るだろう。





「よろしくお願いします」





 出発し、しばらく進むと、夜の静寂が恐怖を増長させる。



 浄化発動後だとしても、先程までの敵の数を考えると、この静けさは逆に不気味でしかない。



 子供たちは恐怖のあまり、ギュッと大人を掴んでいる。




 無理もないな。まるで肝試しだからな。




 周りには血の匂いも



 家屋の残骸も



 亡骸さえもが



 壮絶な戦いを思わせるのだから。





 しかし、その景色は突然一変する。




 全てが凍り付いた氷の世界。



 夏であるにも関わらず、長年露わになっていないような凍った地面。




 雪と氷に覆われ




 その冷気から空気は透き通り




 青い景色に同化し佇む蒼い城




 ウィニキートス大公城にやっと辿り着いた。




「おや、遅かったね。もう、準備は整えているよ。さぁ、大公城へ」




 そこにいたのは、大公セドリック。穏やかな笑顔で出迎えてくれる。




 なんでここに?事情も察しているようだけど、俺たちがここまで来るのに、さんざん戦っていたにしろ、ほぼ一直線のこの道で、先回りをされているなんて。




 怪訝な表情で見つめるシグルドの前に、スッと立ち、礼を尽くすクラーク。




「これは、セドリック様。よくぞご無事で」




「この国に尽力して頂き感謝するよ」




 互いに目は笑っていない。




 それはそうだろう。




 民を護るべき君主が、何もせず




 そしてこのタイミングで




 大公城前で待ち構えていたのだから。




「さぁ、大公城へどうぞ」




 門番すらいない大公城の中は、静けさだけがその異質さを物語る。




 中に入れないのかと思っていたけど、だとしたら、この静けさはなんだ?大公城だぞ?誰もいないなんて……




 それにこの鍵は、入り口の鍵って訳じゃないらしいな。




 ポケットに手を入れ、リンリンから託された鍵に触れる。






「この惨状の責任を、どうつけるつもりだ?セドリック」




 警戒していたその時——




 シグルドの目に映ったのは、蒼銀に輝く体毛を持つ、蒼い眼の狼だった。




 すると、セドリックの口角は僅かに上がった。




「おやおや、ルフ様。まさかもう戻られていたなんて」




 互いに、目と目で牽制し合い、セドリックの目が見開かれる。




「さぁ、レヴァ様の所へと案内するが良い!長年の我が一族の恨みだ!私がこの手で殺してやる!!」






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