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【1万PV感謝】双極の花紋〜転生しても、君を必ず護ってみせるから〜  作者: 赤嶺 利空
第五章 「学園編」

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第二話 「入学式」

「魔力検査の結果から、上級、中級、下級クラスへのクラス分けがなされましたので、各クラスごとに御入場致します」


 まだ直接は話したことがないけど、何度見ても歴戦の戦士みたいな出で立ちだな。それなのに、一流の執事みたいに洗練されてる。


 確か、ルーベル先生だったか。


 この紫がかった青色の髪を堂々と晒して生活が出来てるだけでも、青刈りの脅威をものともしない強さって事なんだろう。


 それより、年齢的にも20代後半くらいだし……もしかしなくても、コバルトとは顔見知りだろうな。


 そんなシグルドの視線を感じ、ルーベルはシグルドへと薄い笑みを浮かべた。


 お、っと、なんだ? 全生徒の視線を浴びてるんだし、俺の視線が気になる訳もないだろうに。


 ——各クラスに分かれ、入場する一向。


 広場の扉が開かれると同時に、楽団の奏でる美しい旋律が鳴り響く。


 クラスごとに男女がペアとなり、女子生徒は男子生徒にしっかりとエスコートをされながらの入場は、貴族院としての儀礼となっている。


 その為、男女比が統一されていない時は、教職員での代行で穴埋めされている。


 元々、10歳の御披露目で一度顔を合わせている為ペアは本人達の自由。


 もちろん、同クラスに配属となった者の中に、婚約者がいるのであれば、優先される。


 ——つまり、シグルドの横に立つのは、もちろんティナだった。


 良かった! 同じクラスだ!


 魔力検査の結果では、申し分ない評価を受けていたのに、ティナは不安そうにしてたから、俺も少しだけ不安だったけど、ひとまずは安心だな。


 まぁ、ここからの魔法の修練度次第でクラスの再編成がされるから、まだ安心は出来ないけど。


 共に自国の代表となる色を纏い、現状の最上位クラスである上級クラスを先導する2人が入場する。


 ——すると、観覧席からは騒めき立つ程の感嘆の声が上がる。


 逆に、下級クラスに向けられる、冷ややかで、嘲笑するような空気は、耐えがたいものではあったが。


 全員が入場を終えると、壇上に眩い一筋の光が差した。


 感嘆の声が湧く中で、光の中から現れたのは白髪に白い瞳の若い男性。


 白いローブを纏い、胸許に光る金色の太陽の形のブローチ以外は、真っ白な出立ちだ。


「新入生諸君、我が学園へようこそ。私は学園長のソルード。先日の訃報より、まだ久しいこの時期であっても、我が学舎へと無事新入生諸君を迎え入れられたことを嬉しく思う。この貴族院で、共に学び、友情を育み、支え合って研鑽を重ねて行って貰えることを心より願っている」


 おーッ! 派手な演出だったな!


 何より、神秘的な人だ。この人が学園長なのか。目も髪も白って事は、もしかすると、光の民なのかな?


 しかし、御披露目会の時と同じで、この橙のジャケットに入ってる金色の太陽の刺繍じゃあ、色味が似過ぎて、相変わらずまったく映えないのと違って、あの太陽のブローチは凄い存在感だな。


 まぁ、ティナの緑のドレスにも、金の刺繍はちゃんと映えてんだけどね。


 ほんと、刺繍部分だけは白地にしてくれたら良いのに。やっぱり不遇のオレンジと土属性は変わらないよな。


 歓声が上がり、壇上を後にする学園長を眺めながら、愚痴で頭がいっぱいになるシグルド。


「新入生代表、シグルド・アトリビュート・リオーネ」


 おっと、呼ばれたか。


 壇上に上がり、ボウ・アンド・スクレープで礼をするシグルド。


 それを見た観覧席からは


「あれが、土の神童」


「土のワンカラー」


「橙の国を変えた天才児」


 そう、口々に声が上がる。


「本日、栄えある貴族院への入学を許されましたシグルド・アトリビュート・リオーネが新入生を代表し、謹んでご挨拶申し上げます。

このような名誉ある学舎に迎え入れられましたこと、教職員の皆様をはじめ、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

我々新入生は、それぞれ異なる国、家門、そして志を胸に、この場に集いました。長年の風習や、それぞれの立場、想いもあるでしょう。

しかし、ここに集った以上、我々は皆、学びを求める同輩です。互いに切磋琢磨し、己の才を磨き、知識と見識を深めることで、家名に恥じぬ人材へと成長していく所存です。

未熟な身ではございますが、先生方のご指導を賜りながら、日々精進してまいります。

新入生一同を代表し、ここに誓い申し上げます」


「——チッ」


 ——歓声が上がる直前


 一瞬で掻き消されはしたものの、確実にその舌打ちは、鳴り響いた。


 ふう。


 まぁ、軽視されてる橙の国から新入生の代表が出て、嫌な気持ちになる奴らはやっぱり多いんだろうな。


 その光景が壇上からはよく見える。


 たぶん、あの口髭を生やした茶髪の男だろうな。


 リオーネのみんなや橙の国の貴族たちが殺意剥き出しで睨んでるよ。


 まぁ、リンリンや父様母様は、氷のような微笑になってるけど。


 ……父様。


 やっぱり……父様が帝都陥落に加担してるなんて……信じられない……


 家族や領民をあれだけ大切にする父様が……


 スッ、と家族から視線を逸らし、壇上を後にするシグルド。


 席に戻る為歩いていると、ティナの視線に気が付いた。


 今にも泣き出しそうな程に


 悲しそうに笑うその笑顔が、あまりにも優しくて


 溢れる感情をグッと堪え


 凛とした笑みを返したのだった。


 ——その後、自国のスピーチを済ませた一行。壇上にそれぞれの代表3人が並んで礼をする。


 現在、四大公国の青の国が滅んだことにより、赤、緑、橙の三大公国となっている為、橙の代表のシグルド、緑の代表のティナ以外に、自国の赤を纏う者が一人いた。


「——チッ」


 シグルドの前を横切る時、小さく、だが明らかに敵意ある眼差しで、またしても放たれる舌打ち。


 こいつ、この茶髪、さてはさっきの口髭の男の息子か?


 確か、ルグニオスだったか。


 へー、俺に喧嘩売ってくるなんてな。さすがにイラッと来たぞ。


 今の所俺たちと同じ上級クラスみたいだが、修練度の試験で、目にもの見せてやる。

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